「お客様の男女比はどのくらいでしょうか?」
私が所属している外部のカウンセリング機関では男性のケースが多いのですが、ここでは女性だけです。トータルで見ても女性が圧倒的に多いですね。
「男性は受けられていないのでしょうか?」
こちらは「女性のためのカウンセリングルーム」として開いていますので、男性が単独で申し込まれた時は所属の外部カウンセリング機関をご紹介して、そちらでお話を伺うことにしています。
女性のクライエントさんから「夫のカウンセリングもしてほしい」と依頼された場合や「夫婦一緒に」という場合はお引き受けしています。
「カウンセリングに来られる男性はご自身に不妊原因がある方がいらっしゃるのですか?」
その例はとても少なく、お1人だけでした。
自分に原因があると診断されてショックを受け、無力感や自責の念に悩んでいるのですが、その思いを率直に語る方は本当にごくわずかです。
やりきれない気持ちを表出できれば、ストレスが軽減されて夫婦関係もずいぶん楽になると思うのですが、男性としての抵抗があって心を開くのはとても難しいのだと思います。
原因は夫にあって自分にはない妻の立場も複雑です。泣きたいほど辛い時でも「夫が責められていると感じてしまうから家では泣けない」という方もいます。「つい、あなたのせいだと夫を責めてしまう」と罪悪感に苦しんでいる女性もいます。
原因がなくても苦痛な医療を受けるのはほとんどが女性ですし、「子どもを産んで育てるべきだ」という圧力を受けるのも女性の方が圧倒的に多いのです。ですから、女性も苦しいし黙して語らない男性もまた苦しいのです。
その人の尊厳を失わせない安全なカウンセリングの場を活用して、少しでも心の重荷を軽くされるとよいのですが。
「原因を持っていない男性がカウンセリングに訪れる理由は何でしょうか?」
体外受精を何度受けても妊娠しない、流産を繰り返しているといった場合、女性が悲嘆にくれるのは無理のないことです。そんな時、「妻のサポートをどうすればいいのか分からない」という理由で来られることがほとんどです。
こんな時は男性のやりきれない思いも十分に受けとめて、パートナーの女性の気持ちや必要なサポートについてお話しています。
ここで気づいたのは「泣いたらストレスになる」と考えている男性が少なくないことでした。
ある人は流産後の妻に「そんなに泣いていたら、ストレスになって妊娠できなくなるって叱るんですけどね」とおっしゃるので、「気の済むまで泣くことは、逆にストレスを軽くしていきます。『これで楽になっていくんだな』とプラスに受けとめて、励まさないでそっとそばにいてあげてください」とお願いしています。
アメリカの医師も同じようなことを家族に伝えているそうです。日本の病院でもそんな配慮があるといいですね。
「やはり男性と女性の考え方の違いなのでしょうか?」
そうでしょうね。男性は小さい時から、泣けば「男の子のくせに」とか「男らしくない」と言われ、泣くのを禁じられて育つことが多いですから、感情の表出を否定的にとらえる傾向が強いのでしょう。それはそれで辛いことですね。
女性はそれを比較的許されていますから、自助グループなどの横のつながりも作りやすいのではないかと思います。
「ご自身の悩み事やストレスはどのように解消していらっしゃいますか?」
今は特にストレスフルなことはないのですが、気分転換に花の手入れをしたり、水彩画を描いたり、よく私を笑わせる友だちとお茶を飲んだりしています。
何かに悩んだ時は、まずはセルフカウンセリングをします。それでたいていは解消しますが、聞き上手な親友に話をするともっとスッキリして気持ちがのびのびとしてきます。
でもこの先、それだけでは立ち直れないほど危機的な出来事に遭遇するかもしれませんね。そんな時、私は迷わずプロのカウンセリングや自助グループを活用すると思います。




